top of page

​弁護士への相談

私自身は弁護士でも法律の専門家でもありませんが、弁護士に相談する際の通訳をすることがあります。 過去、一緒に仕事をしたことのある弁護士を何名か知っていますので、弁護士を紹介することも可能です。通訳を介してタイ人弁護士に何か相談する場合、当然通訳料とは別に弁護士への相談料、弁護料などの費用が発生します。

過去に通訳の打診があり、日程の都合でお断りしたことがあります。その際に弁護士だけ紹介してほしいと言われました。しかし「私が通訳でつけない場合、弁護士の紹介だけはしていません。」と、お断りをしたことがあります。案件の内容もよくわからずに中途半端に紹介できない、依頼者がタイ語を話せないと弁護士さんの負担になってしまうという理由からです。また、他の通訳を依頼する場合、その通訳の方にとって仕事しやすい既知の弁護士さんの方が、いろいろな面で都合が良いだろうと考えるからです。

タイ人とのトラブルにおいて、当事者同士だけでは解決が難しい場合など、弁護士に法律面での相談をしたり、必要に応じて話し合いの場に同席してもらい示談に持ち込むなどのケースがあります。たまに裁判を 望まれる方もいますが、費用や時間の面から考慮すると、よほどの「証拠」と「覚悟」がない限り、タイ 国内での訴訟は回避した方がいいと、私自身は考えています。それらを承知の上で裁判という手段を選ばれる方に関しては、案件の内容を検討した上でお手伝できるかどうかの判断をさせていただいています。

弁護士に相談する場合、まず何と言っても誠実な弁護士を選ぶことが大切です。中には口だけ達者で、何もしてくれないのに料金だけ高い弁護士もいます。また、安請け合いをした後、曖昧な説明に始終し、ほとんど進展や報告のない人もいます。通訳の立場としては、弁護士が言ったことはそのまま訳すことになるので、話している内容が本当かどうか、信頼できるかどうかについては、なかなか口を挟みにくいものです。

 

トラブルの内容によっては、たとえ弁護士に依頼しても解決の難しい場合があります。感情的な部分だけで相手を責めても、結果として、さらに自分の時間やお金を使い、疲労感だけが残るケースも過去にたくさん見てきました。やはり冷静になり、これまでの経緯、そして資料や証拠がどのぐらい手元にあるのか、そして自分がどうしたいのかを整理した上で、弁護士に相談することが肝心だと思います。

 

すぐに弁護士、裁判を選ぶのではなく、まずは当事者と話し合ってみる、または両者を知る第3者に仲介に入ってもらうなど、自らの手で示談の可能性を探ることから始めてはどうでしょうか。

 

やはり一番大切なことは、トラブルにならないように最初から弁護士に相談したり、万が一のケースに備え予防策を立てておくことだと考えます。相手を信頼しているので大丈夫だという気持ちもわかりますが、 お互いの『安心』のためには何らかの方策が必要ではないでしょうか。その時点では良くても、いつ信頼関係が崩れるかもしれませんし、将来何が起こるかもわかりません。問題が起こってから解決するために苦労するよりは、事前に様々なケースを想定して対策を立てておく方がはるかに容易なことだと思います。弁護士のお世話にならなくて済むなら、それにこしたことはありません。

bottom of page